BBQパーティー編の続きを書いていこうと思います。
なお、本日のテキストをお読みいただく前に
生涯一度の合同コンパとその後~出会い編~
生涯一度の合同コンパとその後~美術館へ行きましょう!前編~
生涯一度の合同コンパとその後~美術館へ行きましょう!後編~
生涯一度の合同コンパとその後・最終話~BBQパーティーにおこしください10:00から18:30
をお読みいただけたら、より内容が入ってくると思います。
待ちに待った夕食タイム
ダラダラ特にする事もない苦痛な時間を終えて、18:30分頃に夕食タイムに入りました。
とは言っても4時間程前まで食事を満喫していた上に、15時過ぎにはティータイムまで楽しませていただいたので、はっきり言ってお腹はすいていません。
しかしながらこの状況から早く解放されたい私は、夕食さえ食べてしまえば帰られると思っていたので、若干早い夕食に喜びを感じてなりませんでした。
ダイニングに案内されて、お母様が席を案内してくださいました。
私はとても残念な結果ですが、お父様の正面に位置し、かつ隣にキラリちゃん、キラリちゃんの向かいにお母様が座るという完ぺきな布陣で囲まれてしまいました。
こうなってしまっては他のメンバーの存在など私にとっては無意味でしかありません。
いっそのことキラリちゃん家の方々だけで食事の方がまだ良かったのではないかとさえ思ってしまう様な残念な布陣です。
因みに食卓テーブルは、人数が多くても食事をすることが可能な様にしているのか、10人くらいが同時に食事できる程大きなものです。
そしてそんな素敵な食卓テーブルの上にはお母様手作りの料理が並んでいます。
しかし気になったのはご飯がお皿に盛られているという事です。
この家には茶碗という物がないのでしょうか。
料理の内容自体はドシンプルな和食なのにも関わらず、白ご飯だけお皿に盛られてきています。
この光景はオリンピックの日本代表選手の中にカタカナの名前の人がいる時の様な妙な違和感がありました。
もしかしてこれは突っ込む所なのかなと考えて周りの人の顔を見て見ましたが、特にその様な事を所望されている方はいらっしゃらない様子なのでひかえておく事にしました。
そして各々また飲み物を入れてお父様が乾杯の音頭をとります。
一日の間に二度も同じオッサンに乾杯の音頭をとられるのはこの日が初めてですし、この日以来今日までありません。
そして楽しい楽しいお食事タイムがはじまります。
と、思っていたのは私だけだったようで、みんな黙々とひたすら食べています。
カチャカチャと食器のなる音しかしないダイニングの異様な空気感に耐えきれず、私はキラリちゃんに話しかけてみました。
『えらい静かに食べてるけど、ごはんの時はしゃべったらあかんの?』
と、聞こえるか聞こえないか微妙な声量で話しかけてみました。
するときらりちゃんも微かに聞き取れる程度の声で返してきます。
『家族で食事する時はしゃべりませんよ。』
うん。
でもねキラリちゃん。
今日は私を含めて4名もゲストが来てるじゃないですか。
どの様に考えても半分以上家族以外で構成されているメンバーなんですからちょっとはしゃべりたいですよね。
そしてお父様に言いたい。
何故しゃべりもしない夕食に私を誘ったのですか。
ご一緒したいって言ってましたけど、文字通り本当に一緒にご飯食べてるだけじゃないですか。
今あなたの目の前でひたすらご飯を食べている私はこの場所に本当に必要だったのですか。
そんな事が言えるはずもなく、私はひたすら与えられた食事を頂いていました。
私は基本的にご飯を食べる速度が一般の方と比べるととても速いです。
その違いは高速教習中の教習車と、それを追い抜いていく一般車位の違いがあります。
他の方が折り返し地点に達した頃、私のお皿は舐めまわしたかの様にピカピカに完食していました。
席を立つわけにもいかないので、みんなの食事を待ちながらお酒をいただいていました。
食事が終わってからのひと時
どれ位時間が経過したのでしょうか。
ひたすら待ちに徹しながら皆様の食事が終わるのを特に何もする事なく待機していたら、お父様が終わった瞬間会話がはじまりました。
お父様はどうやら私の素性が気になって仕方がない様子です。
仕事は何をしているのか、両親の仕事は何なのか、親族、兄弟等々色々きかれましたが、特に面白い事もないので割愛させていただきます。
私とお父様がひたすら話をして、他の人は各々好きな話をしていました。
また私にとっての苦痛でしかない時間がはじまったのです。
よくわからない珍味的な物が出てきて、ひたすら私とお父様は酒を飲みながら話をしました。
1時間程経過した時に、お父様がみんなに向かっていいました。
『彼と大事な話があるので、二人で応接室に行ってもいいかな?』
そりゃいいでしょ。
どうせ二人でしかしゃべってないんですから、他の人たちが一緒にいる意味もないでしょうし、お父様と話がしたい人なんてこの場にいるわけがありません。
そう、私を含めて。
そもそもその他のメンバーがなぜ夕食に誘われたのかもよくわかりません。
お父様は私以外の人には一切話しかけてないんですからね。
そして私は仕方なくお父様と部屋を移動する事となりました。
応接室でのやり取り
応接室に入ったのは、大方20時前後でした。
入った瞬間お父様は私に言いました。
『キラリと本当に結婚する気があるのか?』
話が飛躍しすぎです。
私は率直に言いました。
『特にそこまで考えていないのが現状です。』
ここまで来てあえて濁らせるという意地の悪さを出してしまいました。
お父様はそれはそれは深いため息をついて話はじめました。
『君は長男だろ?うちは一人娘だから婿養子として迎えたいと思っている。長男の君にはそれは無理じゃないのか?』
いよいよ本格的になってきていますが、私もお酒の勢いで言い返してみました。
『うちは弟がいますので、最悪婿養子に行く事は可能かと思います。』
全くそんな気はないのによくそんな事がぬけぬけと言えたものです。
キラリちゃんが勝手に私を彼氏だと言ったから私は仕返しのつもりで半分からかっていました。
お父様はどうにかして私とキラリちゃんを別れさせようと必死なようです。
そもそもお付き合いをしているわけでもないので、別れるも何も無いのですが、私今この場を楽しむ事にしました。
お父様は自分の仕事の事を私に話し、行く行くは婿養子に迎えた人間に継がせたいと言った様な話をしています。
じゃぁ貴方の会社はいずれ私の会社になるわけですね、お父様。
と言ってしまおうかと思いましたが、それを言ってしまうと私とキラリちゃんが付き合っているという噂を、私自身が認める事になってしまいます。
そうなってしまうと今後撤回するのに時間がかかっては大変ですので適当に相槌をしておいて流します。
更に1時間が経過した時にお父様が何の前触れも無く私に言いました。
『今日は泊まっていきなさい。』
訳のわからない事を言い出しましたよ。
私の装備は礼服ですよ。
これで寝るわけにもいかないから、確実に脱いで寝ますよね。
しかしワイシャツも寝る時の装備としては向きません。
となると私はTシャツとパンツで寝る事になりますよね。
部屋に関しては客間的な物が有るでしょうから問題は無いでしょう。
風呂から部屋に戻る時や夜中トイレに行きたくなったら事件が起こってしまいます。
私が答えに困っていると、さらに驚きの一言が飛び出します。
『明日からうちの会社で働きなさい。』
はっきり言いましょう。
どっちも嫌です。
お父様は急に何かが吹っ切れたのか、私の魅力に気付いたのかは知りませんが、私に対してとても優しくなりました。
お父様は『お〜い!!』とお母様を呼び、言いました。
『今日は彼に泊まってもらう事になったから用意しておきなさい。』
そんな事にはなっていない。
その言葉にお母様が驚いて言いました。
『えぇっ!?今日はアクラちゃん達が泊まると言っていたので部屋を割り振ってしまいましたよ!』
これは危険です。
このままでは曼珠沙華と一夜を共にしなければいけません。
あの苦痛な時間の再訪かと考えると、私は全力で拒否しました。
『では残念ですが、私は知らない彼と泊まるのは嫌なので帰らせてもらいます!』
するとお父様は何を血迷ったのか、またわけのわからない事を言い出しました。
『君は何を言っているんだ?キラリの部屋でいいじゃないか。』
そう言い終わった瞬間私とお母様のシンクロ率が100%に達した様に声を揃えて『えぇっ!?』と言っていました。
シンクロ率が100%に達して、もう少しの所でお母様と同化してしまう所でしたが、何とか取り込まれずに済みました。
しかしこの状況は何があっても回避しなくてはいけません。
私は全力で拒否しながら、曼殊沙華と一緒に寝る事を選択し、お父様にそれを伝えました。
この無意味なお父様との会話が終わった所で、曼殊沙華のいる部屋に行って寝なければいけないのかと思うと、気が重くなる一方です。
お父様は明日からの仕事の事や、今後のキラリちゃんとの付き合い方など、色々話してきて、一向に話の終わりが見えてきません。
お父様と私がタイマンになってからどれ程時間が経ったのでしょう。
お酒の力もあって、段々眠気が強くなってきました。
そして私はいよいよこの無意味で退屈な時間を終わらせる言葉を口にしました。
『あの、もし御分かりでなかったら困るので、一応言っておきますが、私はキラリさんとお付き合いしていませんよ。』
40代後半で、会社では社長とよばれ、大きな家に住んでいる俗にいう勝ち組のオッサン。
それに対するは20代前半で、ろくすっぽ仕事もしていない負け組のヤンキー崩れ。
私のセリフを聞いた瞬間時間が止まった様に私をジッと見つめたまま動きませんでした。
しばらくすると、『はぁ~』と大きくため息をついて、がっくり肩を落とすお父様の姿をみて、勝利を確信しました。
お父様は静かにいいました。
『確かに君は一度も付き合っているとはいっていないし、僕も確認を取っていなかった。』
そう言い終えると、私をグッと睨みつけて言いました。
『今後キラリとは連絡を取らないでやってほしい。君が悪いわけではないが、僕は君の様な人間を抑え込み続けられる気がしない。』
真面目な人を相手に遊んではいけないという事ですね。
私は答えました。
『もっと早く言ってもよかったんですけど、キラリさんが勝手にそういう空気にしている事が私は気に入りませんでした。』
そういうとお父様は財布からお金を出して私に手渡してきていいました。
『タクシーを呼ぶからその金で家まで帰ってくれ。』
『わかりました。でもこれは多すぎますよ。』
『僕からのお詫びの気持ちも込めての金額だ。取っておいてくれ。』
私はこの局面でまだぶち込んでやりました。
『お詫びの気持ちが入った上でこの金額なんですね。わかりました。』
私のセリフを聞いて財布を取り出そうとしたので、その手をとめて言いました。
『嘘です。今日は貴重なお時間ありがとうございました。キラリさんにはもう連絡はしないし、してくるなと伝えて下さい。』
家を出てタクシーを待っている時に携帯をみたら既に午前3時でした。
あとがき
彼女には気の毒でしたが、この時以来私はキラリちゃんと会うことはおろか、話す事もしていません。
アクラちゃんから何度か連絡はきましたが、真相は話す事無く今に至っています。
もし仮にこのテキストをこの件に関わった人の目に入る事があれば、まず間違いなく誰のどの話をしているかわかるかと思いますが、そこは触れないでくださいね。
一応念のために最後の最後に書いておきますが、私は別にキラリちゃんの事が嫌いだったわけではありません。
見た目というか、顔についていじっている文章も書いているのは事実ですが、私は基本的に人の顔云々で対応を変える様な事はしません。
昔から私はよく言っていました。
『俺のタイプはヒト』
たまたま今現在私と一緒にいる妻はベッピンさん(ここ大切)ですが、それはたまたまであって、顔で選んだわけではありません。
この様に何となく書き出した今回のテキストでしたが、昔書いたテキストを読んだり、ネタ帳を見たりしていると、当時の事が思い出されとても懐かしい気分になりました。
ただ、連続企画をしてしまうと『早く次を!』という様な事を言われるので、今後はこういった話は書かないでおこうかなと書き終えて思っています。
後半若干走り気味で面白味もない話になってしまったことをお詫びして、今回の最終話をしめさせていただきます。
長文駄文失礼しました。